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番外編 六月二十四日①

  • 2019/06/24 18:46

「六月二十四日は、UFOの日と呼ばれている」
 ……そうですか。
 六月二十一日の放課後。
 突然部長が立ち上がり、何を言い出すかと思いきやそんなことを言ってきた。
 もしかして生徒会選挙の疲れでとんでもないことを言い出しているのではないか――なんてことを思っていたけれど、どうやらそんなことは関係ないようだった。
「いっくん、驚かないのかね! UFOの日ということは、我が宇宙研究部にとっても素晴らしい日であるということを! そして、その日を迎えるということが大変光栄であるということを、だ!」
「そんなことを言われましても」
「だから、僕達は何をするか、分かっているかな?」
「はいはい。どうせ、UFOの観測をするんでしょう」
 言ったのは、ほかでもない、僕であった。
 だってそれ以外案件が思いつかないし。
「どうせ、とは何だ! どうせ、とは! 僕は真面目に話をしているんだぞ」
「そうですか……。そう言われても困るところがあるというか」
「困る? 何がだ?」
「だって、いきなり三日後に何かやるって急過ぎやしませんか? 僕達一年生はまだしも、先輩達は生徒会選挙の準備があるんじゃないですか?」
「生徒会選挙は七月だ。それに準備をするのは僕達じゃない。生徒会が中心となって行う、選挙管理委員会だ。だから僕達は何の関係もない。……まさか、生徒会選挙の準備の間、ずっと観測活動をしないと思っていたのかね?」
「ええ、しないと思っていましたよ」
 言ったのはあずさだった。
 あずさもはっきりと物事を言う人間だな、と思いながら僕は話を続ける。
「それに、生徒会選挙の準備中は部活動も自粛ムードに入るはずでしたけれど?」
「ムードはムードだ。それ以上でもそれ以下でもない」
「そんなものですか。……ってか、候補者が自らルールを破っても良いんですか?」
「ルールは破るためにあるんだ。それがどうしたって言うんだ」
 あ、この人を会長にしちゃ不味い気がした。
 けれど、生憎関係性を持ってしまった訳だしなあ……。もし宇宙研究部がなかったら、あっという間に関係性を途絶えさせてしまいそうなところがある訳だけれど。
「そういう訳で、六月二十四日は、パーティを開く! 場所はこの図書室副室。そしてパーティが終わり次第、UFOの観測に移るぞ! パーティの概要について説明するが……」
 駄目だ、この人。もうパーティの準備に取りかかっている。
 ここまで来たら、もう止めようがない。そう思った僕達は、溜息を吐きながらその言葉に耳を傾けるのだった。

 

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